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アナログVSデジタルではない。人に優しいDXとは?

「note」を書きつつ何ですが、私はアナログ人間です。
近ごろ話題の“DX”も、かつては「デラックス」だと思ってました。何が「豪華」なの?と…。


DXとは?

わ、わからん…

つまり、
AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を活用し、
・業務の改善や効率化、組織風土を変革
・新たなサービスやモデルを創出
を実現させるもの。

全国の企業や自治体でDXの取組が進められています。
デジタル技術で、私たち市役所の業務が便利になるのは助かります。
でも、

DXで市民の皆さんにどんな良いことがあるの?

そんな疑問を解決すべく調べてきました。


初開催!「DX‐DAY」

京都市では、Grafferスマート申請、窓口予約、kintone、RPA、生成AI、SNSなど、様々なデジタルツールを業務や窓口に導入しています。

でも、庁内でのDXの普及は道半ば。

そこでデジタル化戦略推進室では、様々なデジタルツールを集めて、職員がその機能やメリットを体験。導入に向けたアドバイスなども行う庁内向けイベント「京都市役所DX Day2024」を開催し、多くの職員が相談に訪れていました。

会場の様子

字幕表示システム

(京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社)

最初にお伺いしたのが、主にオフィス向けの複合機、プリンターを開発、製造、販売をされている京セラドキュメントソリューションズジャパン株式会社さんのブースです。

京セラドキュメントソリューションズジャパン㈱ 豊永さんと谷口さん

ご紹介いただいたのは、
字幕表示システム「Cotopat®」
話した言葉を文字に変換して表示するシステムです。
京都市では全区役所・支所の窓口の一部で導入しています。

コロナ禍で、マスク生活が広がって、声が聞こえにくい…など、高齢者や障害をお持ちの方とのコミュニケーションが課題となり、開発されたとのこと。

早速デモンストレーションをしていただきました。
話した言葉が、即座に、しかも正確に文字になって表示されます。
しかも、漢字には「フリガナ」も!
障害者手帳など、画像も表示されます。

これは分かりやすい!

文字のサイズも変更可能!高齢者の方も見やすい

アクリル板や窓口など、表示スクリーンを貼れば様々な場所に投影できます。英語などの翻訳も可能です。

海外からの観光客もたくさんお越しの京都では、駅やお店などで英語がわからず、対応に四苦八苦している姿をよく見かけます。
これがあれば、気合と根性のコミュニケーションがスマートになりそうです。

障害をお持ちの皆さんへの更なる「合理的配慮」も求めれる中、
「誰にも優しい」システムとして、まちのいろんなところで活用が広がる可能性を実感しました。


3D都市モデル

(ESRIジャパン株式会社、市まち再生・創造推進推進室)

GIS(地理情報システム)ソフトウェアの販売、開発などを行っておられるESRIジャパン株式会社さんのブースでは「3D都市モデル」の活用についてお話を伺いました。

ESRIジャパン㈱の岩瀨さん

「3D都市モデル」とは、実際のまちに存在する様々な建築物、道路、土木構造物などを立体的に取り込んで、地図上にまちをリアルに再現できる地理空間データ。商用も含めて無料で利用できるオープンデータです。

モデルには、用途や面積などの情報も搭載されていて、都市計画の立案などまちづくりへの活用が進んでいます。

デモンストレーションを見せていただきました。
平面だった地図上に京都のまちの建物などが立体的に再現されて、その場にいるようです。

岩瀨さん|「ハザードマップ」を立体的に可視化することで、水害時にどこまで浸水するとか、がけ崩れの危険性などがリアルに伝わり、災害の危機感を住民の方と共有しやすくなります。

浸水による建物影響を視覚化

また、1日の日差しの動きを再現することで、太陽光パネルの発電量や反射による影響をリアルに想定可能とのこと。

そんなこともできるんですね!

緊急時にはいち早く、住民の皆さんに避難行動をとっていただくのは大きな課題です。
これならば、自分の住んでいる地域のリスクが直感的に分かります
また、建物や道路の整備、景観に関わることも、3Dでリアルに再現された画像を使うことで、感覚的な議論を防ぐことができます。

とりわけ景観を大切にしてきた京都。
今後のまちづくりでも活躍の場は広がりそうです。


混雑状況配信システム・窓口等予約システム

(市地域自治推進室)

市民の皆さんにとって最も身近な区役所の窓口
そこでもDXの取組は進められています。

区役所に手続きに行ったら長蛇の列…
どうしても時期や曜日、時間帯で手続きが集中することがあります。

そんな状況を少しでも改善しようと導入しているのが「混雑状況配信システム」。京都市の14区役所・支所の市民窓口課に設置しています。

(左)混雑状況配信システム

職員が窓口の混雑状況を目視で確認し、サイコロのような端末を動かすだけで、WEB上に混雑状況がリアルタイムで配信されます。

今すぐ手続きを必要とされない方は、空いた時間にご来庁いただければ、待ち時間を少なく手続きをしていただけます。

混雑状況の表示を切り替える端末。上に向けた面が画面に表示される。

続いて、「窓口等予約システム」。市民法律相談や、離乳食講習会などの行政サービスの一部がWEBで予約できます。

京都市でオンライン予約が可能な行政サービスを掲載したホームページ(一部)

これまでは、お電話をしていただいていましたが、これならWEB上で、いつでもどこからでもお申し込みができて便利です。

常國係長|窓口相談は事前に必要な情報をお聞きしておくことで、円滑に進む場合があります。
また、当日持ってきていただく資料などを漏れなくお伝えすることができますので、的確な相談にもつながります。
更に、予約日の前日にメールで通知が届くので、相談者の方が予約の日時を忘れたり間違えたりすることも防ぐことができます。

その他、窓口に行かなくても、住民票の写しや印鑑登録証明書の交付をスマートフォンで申請できる「スマート申請」も導入しています。

DXは、誰にも優しくなる技術

何だか難しそうなイメージがあるDX。正直私も逃げ腰でした。
でも、実際の技術やサービスに触れてみたら、その便利さを実感しました。
そして何より、市民の皆さんのお役に立つことも。

こうした技術の活用で高齢者、障害者、外国籍の皆さんなど、コミュニケーションの段差を低くして、誰にも優しく親切な社会になったら良いな。
そんなことを考えた1日でした。

📝ヒロ(市長公室広報担当)
広報担当2年目の職員。連日の猛暑。皆さまいかがお過ごしですか?私は暑さに耐えかねてかき氷を頬張りました。冷たく甘いシロップが、口にとろけて幸せでした。が、それもつかの間、腹痛に。天国と地獄のふり幅に、やっぱり夏は苦手です。