見出し画像

京都の路地裏のほっとスポット。働く“お母ちゃん”の子育て支援とは?

新型コロナの影響もあって、在宅勤務やリモートワークなど働く場所や時間の多様化が一気に進んできています。役所もリモートワーク⁉なんてちょっと前には想像もしませんでした。でも家で仕事をしていたら、忍び寄る子どもの影と事件の予感…そんなママ・パパの強い味方が京都にある!そう聞きつけたので取材をしてきました。


京都四条の繁華街から南に歩いて約10分。昔ながらの京都のまちなみが残る路地奥に、保育付きコワーキングスペース「オトナリラボ」があります。
京都の伝統的な町家を改修した2階建て。1階はコワーキングスペース、2階は木のおもちゃなどもあるキッズスペースに。子どもをスタッフの方に預かってもらい、ママ・パパが仕事や“やりたいこと”に集中できます。

看板を目印に、路地を入って行った先

「オトナリラボ」の子育て支援

オトナリラボ代表の芳野尚子さんは、2人の娘さんのお母さん。自らの子育て経験をもとに、このスペースを立ち上げられました。

代表の芳野尚子さん

親も子どもも幸せなコワーキングスペース

-オトナリラボを立ち上げられた経緯を教えてください。
(芳野さん)
大学を卒業した後に、実家が経営するデザイン事務所に就職しました。当時は残業だらけの働き方。結婚・出産を経て仕事に復帰しようとしたとき、家族の理解もあって、出勤日を調整。仕事半分・子育て半分の働き方に転換しました。その後、子どもも大きくなって自分の経験が生かせないかと考えます。今ほど育児と仕事の両立が簡単ではなかった時代。みんなが自分のようには働けない。東京に保育付コワーキングスペースがオープンしたと知り、だったら京都にも!より多くの方が子育てと仕事の両立できるようなお手伝いができればと思い立ち上げました。

2階のキッズスペース

-どのような方が利用されていますか?
(芳野さん)
乳幼児から4歳ぐらいまでのお子さんがいる子育て世代が中心です。秋ぐらいから翌年4月の保育所に入るまでの期間の利用が多いですね。最近ではワーケーション(※)で海外から京都に長期滞在されている方もおられます。パソコンを持ち込んでのお仕事や、資格試験を目指す方、手仕事をされたり、それぞれの使い方をされています。
※旅先で仕事をすること。Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語

1階のワークスペース

京都の暮らしと。“お隣さん”の子育て支援

オトナリラボの建物は、芳野さんのご実家。ここで生まれ育った“地元の人”ならではの強みが地域とのつながりです。

(芳野さん)最近は周りにマンションが増えてきて、移住してこられる方も多くなりました。地域のことは興味があるけど、いきなり京都のコミュニティに入っていくのはちょっと敷居が高くて手掛かりもない…そんな方にも利用していただけるよう、毎週水曜の午前中に2階のキッズスペースを開放し「オトナリ広場」を開催しています。キッズスペースの絵本やおもちゃを使って遊んでいただけますし、親子の交流や情報交換の場としても好評です。また、「離乳食教室」や年間4回ですが地域の民生児童委員さんの「子育てサロン」にも出張しています。

イベントのお知らせ

-町家の雰囲気も良いですね。
(芳野さん)
そうなんです。なんだか近所のおうちに遊びに来た感じが落ち着くと好評です。スタッフはみんな子育て経験者。子育てのことや、「保活・園活」、習い事などのご相談にも対応しています。子育ても“教科書通り“にするのは大変。実体験でアドバイスができるので、スタッフとお話がしたいという声も多いです。子どもさんもここに来て表情が明るくなったりとか、成長を見届けられるのも喜びです。

絵本やおもちゃもたくさん

-地域の子育て支援施設ですね
(芳野さん)私はこの地域の中で育ってきました。路地を走り回ったり、ご近所さんの家に遊びに行ったり。そんな経験が「オトナリラボ」の運営に生きています。保育所や行政の相談窓口も大切ですが、近所で気軽に子育ての相談ができたら心強いですよね。子育て世帯と地域をつなぐ役割も担っていきたいです。今年はここで「地蔵盆」もやるんですよ。

-地蔵盆!地域の大切な伝統行事ですね
(芳野さん)
はい。最近では子どもも減って高齢化で開催できない地域も増えてきたと聞きます。「数珠回し」大変ですけどね(笑)地域の方と子どもたちが出会うきっかけにもなりますし、暮らしの中で体験できる京都に良さも大切にしていきたいです。

【参考】毎年8月下旬に町内で開催される伝統行事。僧侶の読経に合わせてみんなで数珠を回す「数珠回し」も行われる(写真提供)市文化財保護課

オトナリラボのこれから

(芳野さん)昔は仕事と子育ての両立って。どっちも120%頑張るイメージでしたが、“ゆるやかさ”が受け入れられる時代になりました。SNSにはたくさんの“理想的な“子育て情報がありますが、そこを目指すのって大変です。「ゆるくて良いんだよ」と子育て中の皆さんに伝えてあげることも大事かなと思います。今は自分で拠点を増やす余裕はないのですが、こういった子どもを安心して預かってもらいながら、自分のことにも集中できる。こんな場所が増えていって欲しいなと思っています。

インタビューを終えて

子育ても働き方も、家庭のあり方も時代と共に変化をしていきます。そうした中で“ロールモデル”がなかなか見つからないのも子育て中の大きな悩みと感じます。芳野さんのように、ご自身の経験を生かし、頼れる“お母ちゃん”が身近にいていただけるのは、心強いことだと感じました。

芳野さん出演!移住検討者向け説明・相談会

芳野さんと「オトナリラボ」のスタッフの皆さんをゲストに、京都市の子育て事情をご紹介する移住検討者向け説明・相談会『ぶっちゃけどうなの!?京都市の子育て事情』を開催します。京都に住んでみたいとちょっとでもご興味のある方は、ぜひご参加ください。

(日 時)令和6年7月9日(火)午前10時~11時30分
(場 所)オンライン(Zoom)開催
(費 用)無料
(定 員)90名
(申込み)以下の専用フォームから参加登録
     https://kyotocity-iju01.peatix.com/
(締切り)7月8日(月)午後5時

📝ヒロ(市長公室広報担当)
広報担当2年目の職員。私はこの日を待っていました。6月30日は「夏越の祓なごしのはらえ」。無病息災を願いつつ和菓子「水無月」を食べる日です。モチモチ三角のういろうに、ほんのり甘い小豆がのった美味しいやつ。水無月食べたい!水無月食べたい‼水無月食べたい!!!季節のものを楽しみながら、暑い夏を乗り切りましょう。


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!