“推し活”で支える京都の文化。未来を見据えた挑戦とは?
皆さんこんにちは。
ところで最近、文化芸術してますか?
私は好きな音楽を聞いて今日も1日頑張ろうとか、美しい絵画に癒されたり、本を読んで感動したり…
文化芸術は、日々の暮らしの中にあります。
京都と言えば、能楽や茶道、華道など伝統文化のイメージが強いですが、マンガ・アニメや音楽、アートなど、様々な文化芸術が息づいています。
そんな文化芸術の未来を見据えて、みんなで支える取組が京都で始まっています。
絶体絶命!コロナ禍を乗り越えた支援の輪
3年に及んだコロナ禍で、公演の中止など京都の文化芸術は大きな危機に直面しました。
そんな中、京都市は「文化の灯を絶やさない!」と緊急奨励金制度を創設。更に、令和3年には、アーティストなど文化芸術関係者のやる気と頑張りを、社会全体でしっかりと支え続ける新たな仕組み「Arts Aid KYOTO 京都市連携・協働型文化芸術支援制度」も立ち上げました。
この制度で、個人や企業の方、そして京都市の予算も含めた支援の輪で、100件を超える芸術家等の皆様の活動を応援することができました。
「Kyoto Art Donation」の誕生
そうして支援の輪が広がってきた中で、様々な立場を超えて協働することで、この輪を日本中に広げられるのではないか?
そして、この小さな芽が大きな樹に育った時、どんな危機がやってきても文化芸術を支えられる柱になるかもしれない。
そう考えて立ち上げたのが「Kyoto Art Donation(略してKAD)」です。
お話を伺ったのは、文化芸術企画課2年目職員の“御池さん”。
「Kyoto Art Donation(KAD)」の担当として、制度を運営のほか、京都の文化芸術の魅力も発信中です。
御池さん|KADは京都の文化芸術を応援することに特化した寄付のポータルサイトです。
伝統芸能から舞台、現代美術までの幅広い文化芸術分野、
美術館や動物園などの施設、
更には文化財まで…全部盛り。
KADを入り口として、それぞれの方の興味関心、ご意志に基づき選んで寄付をしていただけます。
京都市が認定した事業を選んで寄付することもできます(Arts Aid KYOTO)し、文化芸術事業のボランティアスタッフやプロの技能を無償でご提供いただく「プロボノ登録」など、参加で応援することもできるんです。
―なるほど、選べるのは良いですね。実際に支援を受けた芸術家の方の反応はどうですか?
御池さん|支援を受けられた文化芸術関係者の方からは、事業の再開や継続、規模の拡大が実現できたとの感謝の言葉が届いています。また、「応援してくださる方がいるということに励まされた」というお声も。お金だけではなく、「応援したい!」というお気持ちがしっかりと届いているのを実感します。
また、ご寄付くださった方の熱量もすごくって。
「今年のプログラムを楽しみにしてるよ!」
「大事な公演を残してくれてありがとう!」とかたくさんのメッセージが届いています。
中には、「ふるさと納税が文化芸術を支える方法としてもっと広がって欲しい!」と言った私たちへのエールも。
もう私も泣きそうです。
―まさに文化の“推し活”ですね!
このKADで寄付をすると、どんな“良い事”があるのですか?
御池さん|「ふるさと納税」の仕組みを使っているので、実質的な追加負担を少なく参加していただけます。そして更には…
私に会えます!声だけですけど(笑)
KADでは、毎月定額のクレジット決済で継続して寄付をしていただける「Membership」の制度を設けています。
会員の皆さんには毎週水曜日、京都の文化芸術の旬な情報をお伝えするメルマガをお送りしています。
さらに月額1,000円以上の会員の方にはなんと!私が京都の文化芸術の現場にお邪魔して、第一線でご活躍の方々に突撃インタビューしたポッドキャストを配信!
様々な特典をご用意しています。
ーポッドキャストを始めてみて感想は?
御池さん|さすが京都!って感じですね。先日も京都能楽会理事長の井上裕久さんに能楽のインタビューをさせていただいたのですが、普段会えないような方に裏話など貴重なお話を伺えるのは京都ならではだなと。
そのほかにも、東山 アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)や京都国際舞台芸術祭(KEX)のメンバーの方などから、事業の成り立ちとか日々の苦労話とか伺いました。
あーこういう方々が居て、舞台や展覧会が成り立ってるんだなーと改めて実感します。
アートの“生態系”を支える。
自然の生態系をイメージしてください。
鳥が種まき、土に芽が出てお花が咲いて、虫が花粉を運んで実を結ぶ。
そんな自然の営みは、それぞれ役割を果たすものの支え合いで成り立っています。
文化芸術も同じです。
芸術家がいて、スタッフがいて、支える人がいます。
また、伝統芸能に触発されてマンガ・アニメや現代美術が生まれたり、その逆も。どれか1つでは成り立たないのです。
御池さん|文化芸術のオモテにもウラにも人がいて、京都の文化芸術が成り立っている。分野は違っても実は根っこの部分ではつながっていて、京都の文化芸術がひとつの大きな樹のように見えてきます。
だからこの大きな樹に、みんなでお水や肥料を注いで、育てていかない?って思いを込めて仕事をしています。
ーところで、そんな御池さんは寄付するの?
御池さん|よくぞ聞いてくれました。
実は私も、なんで個人が寄付するの?って思っていた時期がありました。
最初はちょっとハードルが高そうに思ったけど、1度寄付してみたら
“気持ちいい!”
モノを買ったら時間と共に満足も消えちゃいます。
でも、寄付で私も京都の文化を支えてる!って思ったら、何か凄くないですか?寄付の満足度はプライスレス!
自己満足ですけど(笑)
それからちょこちょこ寄付をするようになりました。
ー最後に何かメッセージは?
御池さん|ふるさと納税は地域を応援する制度。文化芸術あっての京都です。私も皆さんの“推し愛”を届けるお手伝いをいたします。
ぜひ、KADの仲間になってください!
文化芸術を支える裾野を広げていく
時代と共に変化してきた文化の支え手。
これからは、一部のお金持ちや企業、行政だけではなく、みんなで支えることで、文化芸術がもっともっと身近なものに。市民の皆さんの暮らしをもっと豊かにしていくのではないかと感じました。
あなたも文化の推し活、はじめませんか?
*作品画像提供*
「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2024」