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100年の歴史をまとう京都市本庁舎。オフィスにとどまらないその魅力とは?

私たちが毎日仕事をしている京都市役所本庁舎は、昭和2(1927)年に完成。築約100年の今でも現役バリバリの庁舎です。
耐震改修など、約4年にわたる大幅な改修工事が完了し、令和3年に京都の歴史や文化を発信するシンボルとして生まれ変わりました。
今回は、そんな本庁舎の魅力をお伝えします。


100年の歴史をまとう本庁舎

京都市役所本庁舎は、武田五一氏の監修で建設されました。
市役所のお隣さん フォーチュンガーデン京都(旧島津製作所本社ビル)や京都大学百周年時計台記念館、関西電力京都支店など、今なおその作品が現役で活躍する「関西建築界の父」とも言われる建築家です。

外観は「ネオ・バロック様式」を模した西洋風の建築様式。
でも細部の装飾には日本風だけではなく、中国・インド・イスラムまでも含めた東洋的モチーフに置き換えられており、建築史的にも貴重なものと言われています。
市の紋章が掲げられた中央の塔の上や、エントランスホールで探してみてください。

エントランスホール

こんな素敵なオフィスで働けるのは、「モダン建築物」が大好きな私にとって大きな喜びのひとつ。
でも、改修前の庁舎では、床の上を配線類が這いまわり、絶え間なく吹き込む隙間風。床にぽっかり空いた穴ボコを夜な夜なセメントで埋めた記憶も・・。さすがの私も喜べない環境でした。
そんな中でも、「いいな!」と思って眺めていたのが、市庁舎前広場で元気いっぱいに走り回る子どもたちの姿。幼稚園帰りのひと時、親子連れが集まって楽しく過ごす姿がありました。

市民の皆さんの「憩いの場」に

改修後の本庁舎は、市民の皆さまの「憩いの場」としてパワーアップ。
もっともっと市民の皆さんに身近な庁舎になりました。
市庁舎前広場には子どもたちの笑顔と共にコーヒーや軽食が楽しめるキッチンカーも期間限定で登場。

お昼下がりの市庁舎前広場

本庁舎に入ってすぐ、1階の市民スペースや地下1階のオープンスペースには、円卓やソファーを配置。職員が仕事の話をしていたり、市民の皆さんが集まって談笑したり、読書をしたり・・何だかゆったりした時間が流れ、それぞれ思い思いの時間を過ごされています。
私のオススメは新たにできた「屋上庭園」。エレベーターで屋上に上がると四季折々の草花が皆さんをお迎えします。所々にベンチもあって、東山の景色などを眺めながらのんびり過ごすのには最適です。

屋上庭園

さらに京都市では、この魅力いっぱいの本庁舎をフル活用。
先日(3月29日)には、株式会社ニッセン様、京都で学ぶ学生さんと一緒に「学生が伝える京都伝統文化体験&セレクトショップ@京都市役所本庁舎」を開催。
職人の手ほどきで伝統産業を体験するワークショップ、京都の学生さんによるお茶席に加えて、学生さんによる建築案内ツアーも同日開催。多くの方が御来庁され、海外からのお客様が伝統産業の技に黙々と取り組む姿も。大学生の皆さんが、英語も駆使しながら一生懸命、生き生きと取り組まれている様子が印象的でした。
執務室の外に出たらお茶席待ちの方々の行列・・私たちにとってもちょっと非日常な体験でした。

建築案内ツアーで学生さんが市庁舎の見どころを解説

(庁舎管理課からのメッセージ)
イベントの機会はもちろん、何も用事がなくても訪れていただければ、ぼーっと過ごしていただける場所が市庁舎にはあります。
有志の学生に作っていただいた建物紹介パンフレットもあるので、是非遊びにきてください!

アートも一生の思い出も、市役所で

現在、まちなかでの若手芸術家等の作品の展示・販売を行う「ARK(Art Rhizome KYOTO)」の1会場として、現代アートの作品を展示中。
壁一面に描かれた独創的な作品に、ここが市役所であることを忘れてしまいそうです。分庁舎の作品と合わせてご鑑賞ください。

© Yuki Nakazawa
© Yuki Nakazawa

さらになんと
建物の荘厳な雰囲気を生かしたウエディングプランの試験販売も開始。(令和6年8月末まで)
あなたのまちのシンボルで、誰も経験したことのない一生の思い出を!

一見すると、ちょっと入りづらい雰囲気ですが、開庁時間内はどなたでもご利用いただけます。気軽にお立ち寄りください。

北庁舎を建築中(令和7年2月末完成予定)

📝ヒロ(市長公室広報担当)
広報担当2年目の職員。京都のお気に入りは鴨川と美術館。寺社に劣らぬパワースポットと思っている。「歩きながら考える」をモットーに、たまにつまずき焦ってる。

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