見出し画像

デジタル時代に紙ってどうなん?広報紙「きょうと市民しんぶん」の底力とは?

皆さん、こんにちは。京都市広報担当です。
私たちの仕事の1つは、京都市の広報紙「市民しんぶん」の制作。
毎回約63万部を発行し、市民の皆さんに市政やイベントなどの情報をお届けしています。
今回は市民しんぶん元編集チーフの私が、そんなしんぶん制作のウラ側をお伝えします。


ウラもオモテも全力投球

市民しんぶんの発行は月2回。毎月1日に広報担当が発行する「全市版」と、15日に各区が発行する「区版」があります。
私の受持ちは「全市版」。市全体に関わる情報を掲載します。

■地獄のアイデア出し「企画会議」

紙面作成のスタートは「企画会議」。16ページある市民しんぶんの中で比較的自由度の高い「特集面」の企画を考えます。多くの方の目に止まり、「読んでみたい!」と思っていただけるよう、係全員でアイデア出しをします。

でも、こういうのって、時間があればあるだけ良い、なんてことないですよね。
どんなに考えても、フツーの案しか出てこない時は、まさに「地獄」
それでもみんな、もがき苦しみながら生み出した案を発表して、最終的には特集面の担当者が方向を決めます。

係全員の企画会議資料。
それぞれの個性が垣間見えるのも、企画会議の面白いところ。(特集担当者は悩みどころ)

■案ずるより書くが易し?原稿作成期間

そして記事の作成に進みます。原稿の作成にかかる時間は1週間ぐらい。
真っ白なスペースを文字や画像で、整然と埋めていく作業はまさに職人です。
仕事柄、お堅い文書を作ることが多い私たちですが、できるだけ簡単な表現で、見やすく、センス良く仕上げていきます。「見てもらってナンボですから!」
大層クリエイティブで面白い仕事と、私は思っています。

■手に汗だらだら!緊張の原稿確認

続いて紙面校正。担当者5名が3ページずつ作成しており、係長と“チーフ”と呼ばれる係員が原稿の確認を行っていきます。見る側も見られる側も手に汗ダラリの緊張の瞬間。

異様に緊張するのは、大抵、係員の仕事のチェックは係長とか課長とか、上の立場の人なのに、係員が係員の制作物を確認する奇妙な関係だから、と私は思っています(汗)

「全部原稿差し替えられたらどうしよ…」と毎回ドキドキします。でも、他の人の目で見るってとっても大切。思っていなかった視点や間違いが見つかったりするものです。
すべては分かりやすい紙面のために!

ふざけてません。実際の紙に印刷した時に
どのように色が出るかを確認する「色校正」の過程です。

その甲斐あって!?「全国広報コンクール」に入選!

そんな思いを込めて制作している「市民しんぶん」。
なんと2024年3月に「京都広報賞」で会長賞を受賞しました!この賞は、京都府内の市町から応募のあった広報紙などから優秀な作品を選ぶもの。それだけかと思いきや、5月2日に発表された「全国広報コンクール」でも入選!
日ごろの努力が報われた気がします。
市民しんぶんで「やりました!!」と載せるわけにもいかないので、noteでこっそり自慢します。(拍手はスキ♡でお願いします!)

京都広報賞で頂いた賞状とエントリーした「きょうと市民しんぶん2023年6月号」。
励みの1つにしています。

デジタル時代に”広報紙”を発行するワケ

今、このnoteをお読みの方は、何かしらの意思を持って、このページをタップ/クリックしたはず。ホームページとかSNSとか多くの媒体は、自ら選択して情報を得るものです。
しかし、私たちの仕事は、すべての市民の皆さんの暮らしに関わること。情報だって「知る人ぞ知る」であってはいけません。
だから、おうちへ1部ずつ配布しています。これができるのは、アナログな紙ならでは。なくせない広報手段なのです。

16面は「子ども市民しんぶん」

と言ったら私がめっちゃアナログ派みたいに見えると思いますが…
朝ごはんにパンを食べる人・ご飯を食べる人、どちらもいるように、
時代の変化に合わせてデジタルもアナログ、どちらも効果的に使って
市民しんぶんを届けていきたい
と日々思っています。
小さい子どもたちには紙面を絵本のように楽しみながら学んでほしいし、
スマホの小さい画面では厳しいお年寄りの皆さんにも、大きな紙面を広げてゆったり読んでほしいし、
朝から晩まで仕事や学校でお忙しい皆さんには、移動途中に手軽にスマホで読んでほしいのです(移動途中なら市民しんぶんの発行をお知らせする「つかさの10秒ニュース」が目に入るかも!?)。

市民しんぶんに目を留めてもらうために、私たちは走り続けます

市民しんぶんには、毎月多くの市民の皆さんから感想やご意見を頂きます。
厳しいご意見を頂くこともありますが、「見やすかった」「分かりやすかった」などのお言葉が、私たちの大きな原動力になっています。
これからも、市民の皆さんが思わずページをめくってしまう。そんな紙面づくりに取り組んでいきます。これからも「きょうと市民しんぶん」をごひいきに!(まだの方はこちらから)

📝おのゆか(市長公室広報担当)広報担当4年目の職員。入庁以来市民しんぶん一筋。京都の好きなところは普通の日に着物を着ても、まちに馴染むところ。お淑やかな京都弁に憧れる関西弁話者。

この記事が参加している募集