「えらい!」の一言で先生に。一人一人を徹底的に大切にする京都の教育
日々、子どもたちに向き合う小学校の先生。
ところが最近ニュースでは、
先生の担い手不足や残業が多いなど、
マイナス面ばかりが目立ちます。
先生、大丈夫ですか!?
ちょっと心配…
そこで今回、京都市の小学校で活躍する3人の先生方にお話を伺いました。
先生という仕事の魅力と悩み、
そして子どもたちとの心温まるエピソードが満載です。
小学生の時から先生に
ー先生になろうと思ったのはいつですか?
伊藤先生: 子どもの頃から学校が好きで、母親も子どもに関わる仕事をしていました。やっぱり子どもと関わる仕事がしたいと思いました。
いろんなことに興味があって、体育も国語も音楽も理科もできる小学校の先生に魅力を感じました。
佐藤先生: 最初は小学校6年生ぐらいですね。
先生っていいなって思って、中学校の職業体験も学校を選んだくらいで。大学の時に、子どもの成長にたくさん触れられる小学校の先生を選びました。
自分自身の宝物のような学校の思い出を、次の世代にも伝えていきたいなと思ったのが、大きなきっかけです。
江辻󠄀先生:私は小学校1年生のときです。
実は私、友達と喧嘩しがちで…でも、先生方が毎日のように私の話を聞いて、そして信じてくださって、とても安心できました。
私も子どもたちに安心感を与えられる存在になりたいなと思いました。
実は悩んだ先生への道
江辻󠄀先生:去年、小学校の教育実習に行ったんですが、子どもたちが元気すぎて…。ちゃんと授業ができる姿が全然想像できなくなって、自分には向いてないかもと採用試験の直前まで悩んでました。
でも、この学校で「まなび支援員」として働く中で、例えば子どもがご飯粒を上手に取れるようになって喜んだり、勉強が苦手な子がちょっと頑張ってプリントをやってみたりとか。
子どもの成長や変化を間近に感じることができて、やっぱり先生っていいなと思いました。
佐藤先生:実は教員採用試験に1回失敗したんですよ。将来が不安になってすごく悩んでて。そうしたら教育委員会で勤務する先生から「講師をしませんか」って連絡がありました。
それでも決められずに、自信が無い事とかありったけの悩みを正直に話ました。そしたら、「それでいいよ」と温かい言葉をかけてもらえて。
それから1週間後に電話をして、「小学生の時からの夢やし、講師やらせてくださいって」答えたら、「えらい!」って(笑)
この一言に救われました。
誰かが助けてくれる!温かい学校現場
ーちなみに先生にも苦手科目ってあるんですか?
佐藤先生:全然あります。英語とか苦手で(笑)
江辻󠄀先生:私は数学だけは何時間勉強してもダメで。でも、算数が苦手な子の気持ちが分かって、つまづきやすいポイントを踏まえて教えることができるので、今は役に立っています。
ー教壇に立つのに不安はありませんでしたか?
伊藤先生:佐藤先生はよくみんなから「金の卵」って言われるんです(笑)
若い先生はみんなで大切に育てています。私は講師として8校ぐらい経験しましたが、どこの学校に行っても困ったらみんなが助けてくれました。
先生って人に何か教えたり、助けてあげたいって気持ちが強い方が多いですしね。特に若い先生には、「助けてと声を上げてくれたら、なんぼでも助けますよ」っていう気持ちで現場はいるので安心して欲しいです。
佐藤先生:先生になる前の方が不安でしたね。
いざ現場に来てみたら、先生方はみんなが温かくて、お互いに支え合って、働きやすい環境だと思いました。
担任を持つ前に、講師としての経験があったのも大きいです。
また、授業の教え方などいろんな研修が充実していて、手厚いサポートがあります。
最近、若手が入ってきてピンチなんですが、まだまだ「金の卵」でいたいです(笑)
先生としての喜びと悩み
伊藤先生:育成学級や総合育成支援教育にも関わって、障害のある子どもたちにどう向き合えばいいのかを考えたり、その子が普通学級に行ったらどんなふうに過ごしたらいいかなど、いろんな視点を持てたのはすごく貴重な経験でした。1人1人の子どもに時間をかけて丁寧に接することの大切さを学びました。
喜びといえばこの前、ラーメン屋さんで偶然、卒業生に出会って「先生、好きでしたよ」と言ってくれたのは嬉しかったですね。
佐藤先生:子どもが「なるほど!」ってなった時は嬉しいですね。
声のかけ方ひとつで伝わったり伝わらなかったりします。
ただ、教材研究とか、子どもたちにこんなことをしてあげたいとか考えだすとキリが無くて。他の先生がすごい準備をされているのとかを見たら、もっとやらなきゃとか思って終わりが無いのが悩みです。
子どもと先生の強い味方。まなび支援員の経験
京都市では教員免許不要の「まなび支援員」を小中学校に配置しています。
まなび支援員は、授業の準備や授業中の補助、採点業務など担任教諭のサポートを行う仕事です。
子どもと関わる仕事がしたい方や、先生を目指す大学生、一度先生を退職された方などが活躍中です。
江辻󠄀先生:私は市外の出身で、今年の4月に「まなび支援員」としてこの学校に来ました。それまでどんな雰囲気なのか、どう振る舞えばいいのかなど本当に不安でした。
でも、先生方から丁寧にご指導いただき、子どもたちの関り方で悩んだ時も時間を取って話を聞いていただき安心できました。
まなび支援員は、本当に多くの気づきがあります。
子どもたちにどんな声掛けをしたら反応してくれるようになるのかなど、現場だからこそ学べることが多いと実感しています。
伊藤先生:江辻󠄀先生は本当に温かく子どもたちに接してくれています。子どもの横にピッタリ座って分からないところを教えたり、私に時間が無い時でも、子どもたちの話をしっかりと聞いてくれています。自分で判断して丁寧にサポートしてくれるので、本当にありがたいです。
江辻󠄀先生:先生になる前に、まなび支援員の経験をすることで、不安も少なくなると思います。
先生になろう!
ーこれからどのような先生を目指したいですか?
佐藤先生:卒業生が訪ねてきてくれるような先生になりたいです。子どもたちとの一瞬一瞬を大切にして、卒業後も悩んだときに相談してみようと思ってもらえるような先生を目指して、日々子どもたちと接しています。
江辻󠄀先生: 私も子どもたちに寄り添って、大切にすることを心がけたいです。いろいろな背景を持つ子どもたちがいますが、「この先生は自分のことを信じてくれる、話を聞いてくれる」という安心感を持ってもらえるようになりたいです。
中下校長:ぜひ、京都市の先生になってください。
一人一人の子どもを徹底的に大切にする現場です。
子どもたちは、そばにいてくれる先生が大好き!
自信が無くても、みんなで温かくフォローする働きやすい環境です。最初の一歩を踏み出す不安はあるかもしれませんが、若くても経験がなくても大丈夫ですよ。
一人一人を徹底的に大切に。
京都市の教育の特徴は、一人一人の子どもを徹底的に大切にすること。
授業はもとより、不登校の子どもたちにもしっかりと寄り添います。
それはそれで、先生方はどっぷりお疲れかと思いきや、
若い先生も校長先生もキラキラとした笑顔で
「先生は楽しい!」と言い切ります。
先生方の子どもを思う気持ちと熱意、
そして先生同士もしっかりと支え合う温かい職場が、
京都市の教育を支えているのだと実感しました。
まなび支援員や講師は、学校現場の実際の様子がよく分かり、先生を目指す方にとっても、貴重な経験になります!
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