税収52億円のゆくえ!宿泊税と市民の暮らしの関係とは?
京都を訪れた観光客の皆さんにに納めていただく宿泊税。
昨年度の税収は過去最高の約52億円にものぼります。
で、何に使ってんの?
実は、普段目にする色々なところで、市民の暮らしを良くするためにも使われているんです。
その実態を追いました!
宿泊税とは
宿泊税とは、ホテルや旅館などの宿泊者(※)に対して課される税金。
京都市では、東京都・大阪府に続く全国3例目として2018年10月に導入しました。
2023年度の税収は過去最高の年間52億円にのぼります。
(※修学旅行その他学校行事などの参加者やその引率者は免除)
そもそも宿泊税の目的は、「国際文化観光都市としての魅力を高め、及び観光の振興を図る施策に要する費用に充てる」こと。
つまり、観光振興や混雑対策だけでなく、京都市の魅力アップにつながることにも使っています。
早速、宿泊税が使われている“現場”に行ってみましょう!
まちなかの至るところに宿泊税が!
とある休日、市内を歩く市役所のヨシダさん。
何気ないこの景色の中にも宿泊税が使われています。
歩道の整備
ここ、八坂神社門前の歩道は以前、車道にはみ出して歩く人がいたり、バス待ちの人と歩行者が入り乱れて、安全面などで課題が…
そこで2021年、宿泊税を活用して歩道を拡幅。歩行者とバスを待つ人の空間を広げて歩きやすく、さらに車いすでも安心して通れるよう凸凹を解消しました。
なるほど、すっごく歩きやすい。
こうした多くの観光客が行き交うエリアだけでなく、宿泊税は市内のさまざまなエリアでの歩道の環境整備にも役立てられています。
電柱や電線を地中に埋める無電柱化
続いて三条河原町にやってきたヨシダさん。
東海道の西の起点・三条大橋につながるこの場所は、繁華街にも近いので、通勤やショッピング、観光客など、多くの方が行き交うスポットです。
ん?なんだか空がスッキリ。
それもそのはず、電柱や電線が見当たりません。
ここでも宿泊税が活躍!
電線を地中に埋めることで電柱を無くす「無電柱化事業」が実施されました。
無電柱化は、景観が良くなるだけでなく、歩道が広くなってとても歩きやすくなります。さらに、もし災害が起こった時も、電柱が倒れて電線や通信回線へ被害が生じたり、緊急車両の通行を妨げたりするのを予防する効果もあります。
京都市では、産寧坂や先斗町などの人気観光スポットだけでなく、市民の皆さんの利用の多い三条河原町、阪急・四条大宮駅付近などでも無電柱化を進めています。
万が一の時でも、とっても安心ですね。
案内サインや名所説明立札(駒札)の整備
さあ、もっと市内を散策してみましょう。
続いては、市内でよく見かける通り名が書かれた「案内サイン」。
四条河原町、烏丸御池、姉小路六角などなど‥
場所が分かる通り名は、京都で暮らす必須科目です。
実はこの「案内サイン」も宿泊税を活用して整備を進めています。
これで、自分の居場所が分かりますね!
更に、史跡や寺社などにある由緒や見どころなどを記した駒札(立て札)をご存じですか?
この三角屋根の風情のある駒札は市内約680か所に設置。
宿泊税の導入後は、市で負担して設置しているものは全て宿泊税を活用して整備しています。
駒札をじっくり読んで地域の歴史を再発見してみませんか?
地下鉄の列車案内表示器の整備
最後に、地下鉄に乗って自宅に帰るヨシダさん。
ホームで「次の電車はまだかなー」と見上げた先には案内表示板があります。
あれ、何か見やすくなった?
交通局ではより見やすいように、地下鉄駅ホームに設置されている一部の「列車案内表示器」の更新を進めています。
実はここにも宿泊税が!
新しい「列車案内表示器」はフルカラー表示でより見やすくなり、先発・次発・発車時刻など表示項目が充実。
災害等発生時には運行情報を文字で表示する機能も搭載されています。
あ、もうすぐ電車が来る。
いっぱい歩いて疲れたし、晩御飯なに食べよっかなー。
市民生活と調和した京都観光を目指して
この他にも宿泊税は、京町家や文化財の保全、森林の保全、市内の子どもたちの伝統文化体験など、さまざまな場面で使われていて、観光客だけでなく、市民の皆様のくらしもしっかりと支えています。
導入から5年が経過した現在、税率などの宿泊税の在り方に関する見直しを議論しているところです。
観光で、多くの市民の皆さんの生活をより豊かに、そして、快適に。
これからも、宿泊税をうまく活用して、観光課題への対策だけでなく、京都の伝統文化の継承や美しい景観の保全など、住む人・訪れる人の双方にとって快適で暮らしやすいまちづくりを進めていきます。
ご理解とご協力をお願いします。
京都市では、市民の皆様の暮らしと観光をつなぐポータルサイト
「LINK! LINK! LINK!(リンク・リンク・リンク)」を開設しました。
市民の皆様が市内を観光・散策するのにおススメのサービスやイベント情報が盛りだくさん!
観光と京都のまちの関係、観光課題に向けた取組なども分かりやすく発信しています。
ぜひ、ご覧下さい。