地域と自然に交ざり合う、京都のホテルの新しいカタチ
旅行の楽しみの一つが旅館やホテル。
ステキな宿泊施設に出会えたら、またそのまちに行きたくなりますよね!
でも、そのまちに住んでいる方からすると「宿泊施設は私と関係ないよね」と思われるかも知れません。
京都には、地域と交じり合うことで、より良いサービスを目指すホテルがあります。その取組のひとつをご紹介します。
宿泊施設が地域交流の拠点に!
2020年、烏丸御池に開業した「エースホテル京都」。
1999年にアメリカ・シアトルで誕生した「Ace Hotel」のアジア初出店となるホテルです。
宿泊客の7割が海外からのお客様ですが、ここに滞在することが目的となるような、さまざまな価値やサービスを提供する“ライフスタイルホテル”の先駆けとして、地域との調和を大切にされているとのこと。
さっそく、総支配人の池内さんにお話を伺います。
-エースホテル京都ならではの特徴を教えてください。
池内さん:1階のロビースペースを、宿泊客だけでなく地域の方にも気軽に立ち寄っていただけるよう、24時間開放していることが大きな特徴です。
コミュニティテーブルでは学生が勉強をしたり、ワンちゃんの散歩コースとして立ち寄られる方もいます。
また、2階のバーカウンターでは、地元の方と海外からのお客様が自然と会話を始められることもよくあります。地元のおすすめの居酒屋を教えてあげたり、京都の暮らしについて話が弾んだり。そういった何気ない交流が日常的に生まれています。
さまざまな方にホテルにお越しいただいており、ホテル自体が交流の拠点になっていると実感しています。
-自然と交流が生まれるなんて素敵ですね。
ほかにはどのような取組を行われていますか?
池内さん:例えば定期的に行っているプロジェクト「アーティスト・イン・レジデンス」(※)では、毎回オープニングレセプションに50~60人の地域の方がお越しになります。
(※)アーティストがホテルに1ヶ月間滞在して作品を制作し、ロビーに無料展示するプロジェクト
ほかにも、地域の方にも参加いただける陶芸のワークショップや、LGBTQをテーマにした絵本の読み聞かせなど、様々な世代や背景を持つ方々が参加できるイベントも開催しています。
-環境問題に対する取組はいかがでしょうか。
プラスチックの使用やアメニティを最小限にするなど環境に配慮した取組はもちろんですが、毎年4月22日の「アースデイ」には、近隣の事業者さんと一緒に鴨川沿いの清掃活動を行っています。
徐々に規模が拡大し、今年は地域の方々も参加してくださり、50名ほどの規模になりました。
-地域の学校とも連携されているそうですね。
池内さん:地域の学校の校外学習として、SDGsの授業で環境への取組を紹介させていただいています。
また最近では、このホテルで同性婚の挙式も行っていることから、LGBTQについて勉強する高校生が授業で訪れることもありますね。
地域の教育活動の一助となれることは本当に光栄に思っています。
これからも、地域の一員として、市民の皆さんの暮らしに寄り添いながら成長していきたいですね。
市民生活と調和した観光に向けて
京都市では、観光客、事業者・従事者、そして市民の皆様がお互いに尊重しあえる関係づくりを目指し、それぞれの皆様に大切にしていただきたい行動の基準として「京都観光モラル」を策定しました。
今回ご紹介した、事業者の皆様による地域への貢献も「京都観光モラル」に掲げる理念の一つ。
「エースホテル京都」では、ホテルが宿泊者のためだけでなく、地域に開かれて交流が生まれることで、訪れた方にとっても地域にとっても良い循環が生まれています。
京都市としても、こうした取組がますます広がっていくよう、事業者の皆様とともに取り組んでいます。
京都市では、市民の皆様の暮らしと観光をつなぐポータルサイト「LINK! LINK! LINK!(リンク・リンク・リンク)」を開設しました。
市民の皆様が市内を観光・散策するのにおススメのサービスやイベント情報が盛りだくさん!
「エースホテル京都」が提供されている市民限定サービス情報も掲載しています!
ぜひ、ご覧下さい。