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「1回腐ってしまえばいい」!?こたつに入って話をしたら、働くヒントが見えてきた

大学生や企業、地域で活動する方々など、イロイロな声や取組をつないで結んで行く!
そんな活動に取り組む京都市職員「未来を紡ぐチーム」が「働くってなに?」をテーマに京都で働く人や学生さんと対話しました。

誰しも抱える「働く」不安。
そして、働くことの意味、お金の価値、失敗の大切さなど、働くリアルがどんどん飛び出してきました。


テーマは「働くってなに?」

未来を紡ぐチームは、毎月第3金曜日に市庁舎前広場で開催している「小さな芝生広場の実験」の中で、自由に集った人々の声を聞く「座談会」を実施しています。

12月には学生さんと一緒に「2050年の京都に残したいもの」について語りました。

その中で、気になったのが
「卒業してすぐに社会人として働く自信がない」
という学生さんの声です。

私の仕事は、京都で頑張る企業の皆さんを応援すること。

京都には、素敵な地域企業、面白い社会人がたくさんいます。
そんな京都で働く人々の思いを聞けば、学生さんも「働く」ことを身近に感じて、一歩踏みだすきっかけになるのでは?

そのように考えて、今回のテーマは「働くってなに?」
地域企業の皆さんにも集まってもらい、語りあいました。

手書き看板が定番に

“手作りこたつ”でホッコリ座談会

とは言え、1月の屋外は寒い。
参加者が心地よく、話が弾むためにはどうするか…

やっぱり、コタツやろ

そう考えたメンバーが、テーブルと毛布を使った即席の“手作りコタツ”を製作。こたつと言えばのミカンも用意して、座談会のスタートです!

こたつには、ミカンでしょ!

この日、集まってくれたのは、

・色々やりすぎて職業不定の人
・「やりたいことって何だろう」と迷って仕事を辞めた人
・自分の「やりたい」を追求して転職を繰り返している人
・就職活動に悩んで休学中の大学生
・個人事業主としても奮闘中の大学生
などバラエティ豊かな15人。

「仕事はお金を稼ぐためのもの」と割り切っている人もいれば、「やりがいがある仕事でないと働きたくない」と言う人も。価値観や考え方はそれぞれです。

でも、話してみたら思わぬところで悩みが一致したり、同じ悩みを既に克服した人からアドバイスが出てきたりして、話が弾みます。

皆さん“一度は通る場所”っていうものがあるんだなと気づかされます。

ひとつひとつのエピソードが面白い

どう働くか、立ち止まって考える

学生さんから出てきたお悩みが、
「大学3年生で突然始まる就職活動の雰囲気に戸惑い、失敗できないというプレッシャーを感じてしまう」という声、
「1日8時間を費やしたいと思える仕事が見つからない」という声も。

参加者の中には、自分がやりたいことと向き合うために休学して自分探しをしているという人も。
最近そうした学生さんも珍しくはないようです。

真剣な表情で話に聞き入る

「世間ではまだまだ“新卒カード”を失うのはもったいないって声もあるけれど、あえて使わずに起業する人もいれば、4年生大学を4年で卒業しないという選択をする人もいる。」

学生起業をする人も増え、転職も当たり前になった昨今、大学卒業後に一生同じところで働き続けるという考え方や価値観も、大きく変わっているんだなと実感しました。

「働く目的はお金を稼ぐことだけではない。」

そんな意見が印象的でした。

今は働き方の選択肢がいろいろ増えました。迷った時は、自分のやりたいことが見つかるまで、立ち止まって考えてみても良いのかもしれません。

高校生も参加

人生は1回腐った方がいい!?

「働く」ことに悩んでいるのは社会人も同じです。

ある20代の参加者の悩みは、ズバリ結婚。

「恋人と結婚するまでには、ちゃんと稼げるようにならないと」

自分のやりたいことを追求し、個人事業主となったばかりで、頑張っているところなんだとか。

そんな悩みに、ドンドン出てくる先輩たちからのアドバイス。

「自分は1回どん底まで落ちたけど、当時結婚前の奥さんに30歳までは自由にして良いって言われて救われた」

「子どももいるし、この先の人生を考えたら、辞めるなら踏ん張れる間の方が良い気がして、事業を辞めてみた経験がある」などなど。

出てきた答えは、

『人生は1回腐った方がいい』

え???

あれこれ悩んで考えて、決めきれずにいるよりは、バサッと辞めてしまえばやり直せる。人生どん底からでも何度もやり直せるし、その方がステップアップできる気がすると。

やりたいことを仕事にする。
それはリスクも、上手くいかないことも多々あります。
でも人生なんて思った通りになりにくい。

企業にいても、起業をしても同じです。
挑戦して失敗する。
その繰り返しの中で、個人個人が力を付けていくことが、ますます大切なのかも知れません。

ツムギストも積極的に参加

働く≠お金を稼ぐ?

「働く」ことと切り離せないのが「お金」の話。
話題はお金ってなんだ?に展開します。

「働くことと生きることがいっしょくたになってしまって…お金をもらえなくても色々手を出して、収入ゼロの時もある」という声も。

えっ…大丈夫ですか(笑)
地域企業を支援する私には心配です。

いろんな人がやってきて「話」をこたつに置いていく

「もしも“ベーシックインカム”で、生きていくのに最低限のお金がもらえれば、自分のしたい仕事をしていけるんだけどな」

そんな一見ハチャメチャな意見にもみんなが乗ってきます。

「ベーシックインカムって、別にお金じゃなくても良くない?」とか、「将来、会社の給料の一部を地域通貨で払ってみたいんだよね」という人も現れたりして…。

給与は通貨で払わなければなりませんし、「お金を稼ぐこと」が働く目的になることもあります。
でも、働いて「生きるためのもの」を獲得するという原点に戻ったら、物々交換で生きることを選ぶ人も出てくるかもしれませんね。

話がドンドン盛り上がりこたつの熱もアツくなる

働く目的の多様性が、京都の未来を明るくする

今は働き方が多様化しました。
個人の能力を生かしてフリーランスで活躍する方。
会社勤めでも副業をされている方。
就職せずに起業をされる方。
コミュニティビジネスなど社会課題に挑戦する方など

仕事も働く場所も様々です。

「哲学カフェ」も主宰、山本和則さんによる屋台
この日は甘酒チャイと豚汁を

ビジネスで成功を目指す!と言えば、
たくさんお金を稼いで豊かな暮らしを手に入れるというイメージが強いのですが、これからは、働く目的も、もっともっと広がっていくのかも知れませんね。

駄菓子屋さんには学校帰りの子どもたちも

今回の座談会では、“面白い”人が次々にやってきて話をつないでいく展開。
刺激が多くて時間があっという間に過ぎていきました。

京都芸術センターを拠点に活動中
「Dance巣食う」のメンバーによるワークショップ

これから社会に飛び出す学生の皆さんにとって、“当たり前”が揺らぐことの不安は大きいでしょう。
役所や企業など組織を見るだけではなく、こうしたカッコいいと思える個人との出会いが未来に一歩踏み出せる力になるように感じました。

市役所近くのイタリア料理店「fudo」さんの出張販売も
ご飯にも合いそうなパスタソース

誰もが個性を生かして活躍できる社会が実現できたなら、京都の未来はもっともっと明るくなるはず!

そんな明るい気持ちを抱かせてくれる座談会でした。

もっともっと話したい!

次回の「理想京座談会」は令和7年2月21日(金)14時~開催します。
予約不要、入退場自由、もちろん無料
テーマは引き続き、「働くってなに?」

いろんな出会いがありますよ。
ふらっと寄ってみてください。

飛び出すツムギストの恒例に?
またもやみんなでジャンプした!
ちょっとずつ飛びなれてきた?

📝チヒロ(未来を紡ぐチーム/総合企画局都市経営戦略室)
 京都の地域企業を全力で応援中。地域のため、未来のために活動している面白い地域企業をたくさんの人に知ってほしい!もっと多様な「働く」があふれる京都になりますように。